「 寺門さま、こんばんは!  今日はちょっとお誘い(お願い)のメールです。

 東野さんの新作紙芝居、あたごの浦の東野バージョン『月夜の浜の芸くらべ』が完成しました。

 で、8月に1日だけナフシャであたごの浦DAYをしようかなと・・・という話しを東野さんと先週末していたのですが。それなら、寺門さんのあたごの浦の絵も一緒だったら素敵と・・・(福岡?で東野さんが見せてもらったもの)

 そして? できれば寺門さんのあたごの浦のストーリーテーリングもなんて・・・勝手に二人で盛りがったのですが・・・いかがでしょう?」

 
というメールを旧知のライター=大野ヤスミさんから頂き、あれよあれよというまに、
 
ナフシャ 8月のスペシャルイベント
絵巻物師 東野健一×画家 寺門孝之
「あたごの夜の夢」

8月16日(土曜)夕方6時スタート
参加費2000円 1ドリンク付
できるかぎり予約をお願いします。
ナフシャ Tel 078―576―5630
神戸市兵庫区永沢町4-4-14共同印刷ビル1F

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 暑い日が続きますが、みなさんお元気でお過ごしですか?

 「あたごの浦」という、心踊る絵本をきっかけにうまれた絵巻物師の東野健一さんの新作紙芝居「月夜の浜の芸くらべ」の披露。「あたごの浦」からインスピレーションをうけ新作に挑む画家 寺門孝之さんの新作絵画構想発表会。

 今までにない、妙妙摩訶不思議な二人のアーティストの真夏の共演です。もちろん二人のトークも存分に・・・。冷たい飲み物片手に、あたごの浦のタイやタコやイカになった気分で?!みんなで楽しく過しましょう!

 

な〜んていうイベントを開催することに。続いて、僕のイベント案内文…

 

 ポトゥワ(絵巻物師)で画家の東野健一さんとももう10年来のお付き合い。敬愛+尊敬する神戸の怪人です。

 東野さんと出会って間もなくのこと、「寺門はん、この絵本の世界、きっとスキやと思うでえ」と教えてくれたのが、脇和子・脇明子:再話/大道あや:画の絵本『あたごの浦』

 さっそく購入して開いてみると「!」確かに僕の大好きな、けれどそれまでに体験したことのないふ〜しぎな世界だったのです。

 それからすぐ、震災直後の1995年2月に博多で開催された僕の展覧会で会場に舞台をしつらえ、ほとんどライブペインティングのようにして描いて作った大きな「あたごの浦」絵本を、東野さんに語ってもらう、という大贅沢なコラボレーションもありましたっけ。

 それからずいぶん経ちますが、東野さんはこの度とうとう、自分でこのお話を練りに練ってすばらしい絵巻物を描き上げ、新作の絵巻紙芝居を完成されました。ブラボー! なにだか、きっとこの「あたごの浦」というお話と、東野さんと、僕とにはご縁があるのでしょうね?

 東野さんと、ライターの大野ヤスミさんのアイディアで、今回のこの会に僕も参加させていただくことになりました。東野さんはその新作ポトゥ、演じられます。これは見物です!

 で、僕は、展覧会でもないし、いったいなにをすればよいのか・・・と迷ったのですが、これから描く絵について構想を発表します。モデルも募集します。未来の絵を、みなさん、いっしょにひきづり降ろしましょう。奮ってご参加ください!

寺門孝之

 
 そんなこんなで、あっという間に、8月16日はやってきた。お盆だし、台風が来るとか来ないとかはっきりしない天候でありましたが、当日は、鯛やひらめ、あじ、さば、たこ、いか…ならぬ、人間のお客様が40名あまりぞろぞろと集まってくださり、たのしい夕べとなりましたとさ。

会場のNafshaの前に立つ寺門。雨粒が舞ったり、止んだり。


かわいらしい「看板」


打ち合わせがだいたい終わった二人。東野さんと寺門。


いよいよスタート。東野さんの快調トーク。絵本の紹介などなど。
壁には1995年てらぴか版「あたごの浦」の原画が貼られている。


東野さんの新作ポトゥ「月夜の浜の芸くらべ」はじまりはじまり〜。


これは「猫金魚」、だそうです。


絵本の舞台となった「あたごの浦」を探し当てた話、とか、東野さんの興味深い話がつづく。
一方、寺門は月夜の浜辺に集まって来るのは、
魚介ではなく魚介を漁って暮らす海洋民族なのでは? と妄想に耽り始める。
各地にある愛宕神社、愛宕山に「火」の祭があるのはなぜだろう? という寺門の問いにすかさず、
それは火を大切にする拝火教の人の場所やからとちゃうか? と
持ちネタのシベリアのカタツムリのお話をからめて応えてくれた東野さん。



「おなす」の色に塗られたカンバスに、チョークで
妄想=浮かび始めた「絵」を描き説明する寺門。水平線と月。

海洋民族が浜へ押し寄せる。松の上には「少女」。
絵本「あたごの浦」では芸をはやしたてる掛け声に「妙、妙、妙…」という言葉が出てくる。
寺門は「妙」の漢字を組替えて「少女」にしてしまう。


東野さんの提案で『DREAM DREAM』に収録の夢日記から「富士山の鬼」を朗読する寺門。


東野さんの大きな声と話術にすっかり会場は呑みこまれ愉しい夜もあっという間に更ける。
最後には、寺門がこれから描く「あたごの夜の夢」の絵の中に入ってくれるモデルも募集。
多数応募があった。


★その夜、寺門に降りて来た「あたごの夜の夢」の絵のメモ。


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