(04)
<寺門、出雲へ行く>
 

 ゴールデンウィーク5月3日〜5日、出雲へいってきました。ユング心理学者の河合俊雄さんご一家とうちの家族とで。

 僕は出雲は初めてでしたがすごくココロ深くに沁みいる旅でした。

 初日は島根半島をうねうねと巡り、美保というところの誰もいない美しすぎる砂浜でベニガイを拾ったり、加賀の潜戸(かかのくけど)という海の洞穴を小舟でくぐったりました。加賀の潜戸はなんとサルタヒコさんが生まれた場所だそうで、昨年10月の伊勢のサルタヒコ神社でのおひらき祭りを訪ねた旅はこうしてまだつづいているのでした。夜にはたまたま同じ宿へ泊まられていた河合隼雄先生にお目にかかることも出来ラッキーでした。

 二日目朝からはいよいよ出雲大社へ。あいにくの小雨で、屋外の舞台でお神楽が奉納されると、途端にとんでもない滝のような大雨になりました。お参りを済ませ逃げるように宿にもどりました。出雲では弁当忘れても傘忘れるなといわれるほど雨が多いそうです。大社の背後をとりかこむ山山からは、もくもくと白い雲が湧いていて、まったくもって「出雲」でした。

 夕方、雨が上がりかけたので再び大社へ詣でると、ちょうどヤマタノオロチのお神楽の奉納が始まりました。目が渦巻きで表現された魅力的な「竜」が登場しました。音楽も最高! 伊勢のサルタヒコ神社で見たお神楽以来、すっかりお神楽ファンになってしまいましたが、絶妙のタイミングでまた「龍」=オロチのお神楽を見ることができました。

 そして5日は石見(いわみ)の銀山というところへ行って、かつての銀鉱の洞穴・龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)へ潜りました。細くて暗い地底の道を進むと、体からチカラが抜き取られるような気がしました。

 外へ出ると緑が滴るような大自然で、きれいな小川には宝石のようなサワガニや、オレンジ色の羽根で蝶の様に舞うカワトンボなどもいて、すっかりトリコになりました。

 そこへ向かう朝の道路は深く白い霧につつまれていて、その合間に、突然、野犬の群れが車道を横切ったり、巨大なトビがフロントガラスへ体当たり寸前まで近づいてくるりと飛び去ったり、映画「もののけ姫」の舞台のモデルになったといわれるだけあって、日本にいまだにこんなところが残っていたのかとびっくりするような神秘的で美しすぎる光景でした。

 その後に立ち寄った城上(きがみ)神社では拝殿の天井に大きなルリ色の龍がいました。これは鳴き龍と呼ばれていて、拍手を真下で打つとびょんびょんとホーミーのような倍音が響いて不思議です。ああ愉しかった!

 6月8日にむけて、「竜」の気配のする場所、「竜」の絵のある場所を訪ねる旅をつづけていこうと企てています。


●出雲大社お神楽の龍(1)


●出雲大社お神楽の龍(2)


●城上神社天井の鳴き龍


●加賀の潜戸


●石見銀山・龍源寺間歩


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