Back Number 19990929

 

 まずは簡単な自己紹介。深海(GwG)です。このサイトを製作しています。いつも「てらぴかのえんがわ」を訪れてくださっている皆様、ありがとうございます。そして、更新遅れていてすみません。続々更新予定なので、どうぞ懲りずに覗いてみてください。

 さて、寺門さんが旅に出てしまったので、今日から数回に渡ってボクが”Today’s Terapika”を担当していきます。でも今日は、もうすぐ出版の「天使のカレンダー」で、文章を担当された三枝克之さんの登場です。

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 9月29日(水)。京都は、晴れときどき薄雲。 みなさん、こんにちわ。三枝克之と申します。 旅行中の寺門さんの代理ということで、 本日このコーナーをつとめさせていただきます。 どうぞよろしくお願いします。

 まずは簡単に自己紹介します。(合コンみたい) 出身は神戸の隣の隣、西宮です。今は京都に住んでいます。将来は沖縄移住希望です。 職業はビジュアルブックの企画編集者です。 これまで作った本では、雲や光や風の言葉と写真を集めた『空の名前』や、 月や星の言葉と写真を集めた『宙ノ名前』、 自然界にある色の写真と名前を集めた『色々な色』あたりは、 もしかしたら買っていただいた方もいるかもしれません。 あと『万葉集』をポップソングの歌詞のように訳して写真と組み合わせた 『LOVE SONGS』という本も作ってます。 こちらは歌手の浜崎あゆみさんの愛読書になっているそうで、 そのニュースを聞いてからは、こちらもにわかAYUファンになりました。 (ミーハーな話ですが、自分が作ったものを好きになってもらえるというのは、 それくらいほんとうにうれしいものです)

 寺門さんとは、寺門さんの初めての画集『かごめドリーム ツル/カメ』を いっしょに作った時からのおつきあいです。 そして今回ふたたび寺門さんといっしょに作った本が、 もうまもなく(10月上旬)発売になります。 タイトルは『天使のカレンダー Days of Angels』。 寺門さんの天使の絵366点を、366日のカレンダースタイルで綴り、 そのそれぞれに私が各天使のキャラクタ−を書き入れた、 文庫サイズの小さな空想天使図鑑です。 これまでたくさんの本を作ってきましたが、 今回ほど本ができたことを素直にうれしく思ったことはありません。 いつもは作り手の立場から、うまく行かなかった部分など不安な面が先に立ってしまい できあがった本を心安らかに見ることはないのですが、 今回は作り手の立場を忘れて、一読者の気持ちで楽しく何回も見てしまいます。 私のこれまでの編集持論は「本は企画した時が一番いい本。 あとはいかにそのベストなイメージからの低下を最小限にとどめながら完成まで進め られるか、 それがポイント」だったのですが、 今回の本はなんだか、企画した時よりもいい本になった気がするのです。 まあ、作った当人たちの言葉などしょせん当てにならないかも知れませんが、 まずはぜひぜひ書店で見て、確かめてみてください。 友人やパートナーへのプレゼント(クリスマス、お誕生日、バレンタインデーなどな ど)には 最適な本です。もちろん自分へのプレゼントとしてもね。 気に入っていただけたなら、ぜひまとめてご購入くださいませ。 (現在寺門さんが個展を開催しているギャルリ・ムスタシュでは、 一足先に見本を見ることができます。本も10月初めに完成次第まっさきに販売される 予定です)

 自己紹介と宣伝がついつい長くなってしまいました。 とりあえず今日は“TODAY'S TERAPIKA”あらため、 “TONIGHT'S MIEPIKA”ということで私の今晩の予定なぞ書いてみます。

 さて、 今晩はぜひ久しぶりに銭湯に行ってみようかと思っています。 京都は古い街なので銭湯がまだまだたくさん残っています。 で以前は奥さんとちょくちょく銭湯に行っていたのですが、 仕事が忙しかったのと子供が産まれたのとで、このところご無沙汰していました。 (あまりによく銭湯に行っていたので、向いの家の人は、私の家には風呂がない と思い込んでいたらしいです) 基本的には近所の銭湯にいくことが多いのですが、時には自転車に乗って遠出をし、 少しレトロでいい雰囲気の銭湯を探して入りにいきます。 京都には船岡温泉、藤の森湯などなど東京の人にも知られた有名な銭湯がありますが、 それ以外にも探せばたくさん、メディアに出ていない古きよき銭湯を見つけることが できます。 (メディアはいつも同じところばかり紹介しますからね)

 私が銭湯を探す時のキーポイントの一つは隣に理髪店があることです。 たいてい理髪店は角地に立っています。 こういう並び方は江戸時代からの名残なのです。 この角地にある床屋とその隣の風呂屋が、かつてはその町内の集会所だったわけです。 式亭三馬の『浮世床』『浮世風呂』の世界ですね。(式亭サンバと書くとより楽しく なります) もちろん、だからといってその銭湯が古い建物とは限らないのですが、 なんだかその立地だけで私の頭は江戸時代にタイムスリップして、 「ひとっ風呂浴びたら、今宵は島原(江戸時代の京都の遊里)へでもでかけようか」 といった 浮世を離れたウキウキとした気分に浸れるのです。 建物は新しくなっていても、 きっとその土地が時代を越えて持ち続けている磁力のようなものがあって、 それが私をタイムスリップに誘ってくれるのではないかと思うのです。

 銭湯や温泉の話をしだすとキリがありません。 韓国、モロッコ、トルコ、イタリアなど海外で入った銭湯や温泉も楽しい想い出です。 (パリにも銭湯はあるのですよ!) また機会があったらそんな話もどこかで書きたいと思っていますが、 長くなってしまうので、とりあえず今日はこのへんで。 今晩はどのあたりの銭湯へ出かけようかな?

 今日は二十日の月、更待月。 夜も更けてからのお出かけが楽しいかも知れません。

 
 

Days of Angels
天使のカレンダー

絵*寺門孝之 / 文*三枝克之

リトル・モア  ¥1500+税

全国書店にて10月上旬発売