Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20010821

 

 2001年8月21日、火曜。

 台風11号の影響で、ここ北野坂にも大風が吹き荒れています。雨はほとんど降っていません、今は。天井でぐるぐるぐるぐる雲が回っています。千切れたりくっついたりしながら。このぶんだと、今日のてらこや、来られない方も多いかもしれないなあ。遠方からの参加者も多いことだし。

 こんな大風の中、先程、佐川急便のおっちゃん(集荷には若いあんちゃんがやってくるが、時々おっちゃんが荷物を届けにやってくる)が、えらい風やねえとかなんとかいいながら小包を届けてくれる。4月の東京展の際に打ち合わせして、神戸へ戻ってすぐに描いた、中山可穂氏の小説「天使の骨」の装画が、見本(文字通り見本の本)といっしょに到着。今日から本屋さんにも並んでるはず。集英社文庫です。

 中山さんのお仕事をさせていただくのは今回が初めてですが、中山さんの小説、ガツン!、とココロに来たので、ハッスルして描きました。中山さんから、「寺門さんの描くボロボロの天使が見たい」とのお言葉を頂戴していたので、そのとおり、「ぼろぼろの天使」を描いてみました。

 手法としても、また「0」(ゼロ)から立ち上げて、「線」の持つ痛々しさを強調。これまでの僕の絵とはまた違った味の絵を引き出していただきました。中山可穂さん、担当の瀧川さん、ありがとうございました。僕自身かなりお気に入りの1作です。

 中山可穂さんは、この間第14回山本周五郎賞を受賞され、今、注目の集まりまくりの作家。ぜひ、この機会に手にとって読んでごらんになってみては、まだの方は。後で、この下に本の画像を貼ってもらいます。

 僕は、本、が大好きで、こうして本の表紙に絵を描かせていただく機会があることは、僕にとってホントウに幸せだ。「作家」という不思議な「タマシイ」にも出遭えるし、そのうえお金までいただいて。これからも、かなうことなら、素晴らしい衝撃的な「本」と出会って、そのお手伝いを「絵」でしていけたらば、と思う。そう思っている。

 from terakado takayuki

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