Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20031106

 
 

 10月31日の三宅純EXOTICAとのライヴペインティングの写真が出来て来たので掲出します。

 前回2回はいちおう依頼を受けて「龍」を描くという役目を仰せつかってのライヴペインティングだったのでそれなりの段取りやプレッシャーもあって緊張したのですが、今回は三宅さんのライヴのゲストということで特に役目はなく、何を描いてもいいオキラク状態でしたので、本当に前もってなんにも考えず、三宅さん達の音が鳴って、それに反応する自分をココロユクマデ愉しめました。

 自分に対して仕込んだのは、写真にあるように「ヒトガタ」のカンバスです。

 このカタチは先に長屋和哉さんとライヴペインティングさせていただいた丹生川上神社上社の大祓えに使われる形代(カタシロ)をモデルに服の専門家=松本小銀杏君に縫ってもらったものです。

 形代は紙を切って作られたもので、僕達の罪穢れをそれに擦り付けて海へ流し、それによって僕達が健やかに暮らすことが出来る、といういわば、身代わりのようなものです。

 たかが紙切れですが、ヒトガタをしているだけでなにか呪術的な説得力が生じて、身代わりと言われても納得がいくのです。これが立体化しよりリアルになっていくと雛流しのお雛様になっていきます。

 雛人形ももともとは僕達の罪をしょって海へ川へ流されたものでした。

 僕はヒトガタ=人形にも並々ならぬ関心があって、十代の頃から独学で人形を作り始め、大学卒業後セツ・モードセミナーに入るより先に吉田良一(今は良)先生に弟子入りし、一通り人形作りのノウハウも身に付けました。

 その後セツでの絵のベンキョの方に力点が集中して、人形、止めましたが、どこかでいまだに人形のことに深く惹かれるのです。今回のライヴペインティングでは、「闇の妹」の紙人形をライヴで作る様子を映像で中継してみたりもしました。

 まだまだ単なる試みですが、人形、ちょっと追いかけてみたくも思っています。

 奇しくも、闇の妹のモデルをお願いしている女優の前田昌代さんは、雛人形の発祥に関わるとある神社の末裔でもあり、僕を訪れているイメージはこうして脈々と現実とシンクロしつつ、いったいどこへ向かおうとしているのでしょう?

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