２∞４年∞月∞日。日曜晴れ。

　昨夕は晴れていたのに雷鳴轟く中ハーバーランドで花火大会があり、僕も誘われたりしたのですがいや、やっぱり展覧会準備だと思ってアトリエにひきこもり、キャンバスを張ったりそれを黒くしたり絵を描いたりしていたら、どーんどーんと音が始まりアトリエの奥の部屋の窓の正面に花火が。な〜んだ行かなくても見えるではないかと、しばし部屋の電灯を消してひとりで遠くの花火を鑑賞。

　今日はまずは家族で神戸・大丸へ『大・水木しげる展』を観に行く。これがかなり見応えのあるすばらしい展覧会で、あらためて水木しげるの偉大さ、面白さに感激。ココロが愉しくなる。売店でカタログ・書籍・絵葉書・ポスターなどを買い漁る。先日ここにも書いたセノイ族を水木しげる氏がたずねて書いた本を探したがやはりそれはなかった。古書でさがすしかないか・・・。

　その後アトリエで作業を経て、夜は摩耶山・天上寺「星下り会式」へ。これは、８月８日と９日のさかいの時刻＝９日午前零時にご本尊の観音様に向けて天から除災招福の星が降りてくるという言い伝えがあって、古くから続いている祭りだそうで、この日に金堂へお参りすると一日で四万六千日お参りしたのと等しい功徳とご利益があるともいわれ「四万六千日大祭」とも呼ばれるそうです。

　摩耶山・天上寺はなんとなく清々しく好きな場所で、参道脇に鎮座されている摩耶夫人とお釈迦さまの聖母子蔵もなんだか無国籍でマリヤとキリスト像のようでもあって神秘的な美しさ。一年に何回か訪れるお気に入りスポットなのですが、この「星下り会式」は初体験でした。思いのほか多くの熱心な参加者があり、不思議な静かさと高揚感のある会式でした。

　なんだかよくはわかりませんが、確かに、僕にも星がキラキラ下ったような気さえして、きっと、また時間をかけて熟成して、絵に今日の星が現れる日もくるのではないかと思いました。なんと親しい人たちともまったく偶然に一緒になって、人の縁の深さと、なんだか宇宙の運行の正確さのようなものまで感じてしまった、夏の一夜です。