Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20050307

 

 ひゅう〜〜〜

 2∞∞5年3月4日、朝はやく新神戸からのぞみに乗って名古屋へ、そこから名鉄犬山線というのに乗り換えて「扶桑」を目指す。

 駅員さんに行き方を訊ねるが駅名の読みが難解でよくわからない。新可児で「シンカニ」、「カニ」? 栄生で「サコウ」? ううむう・・・と読み名を楽しみながら無事「扶桑」着。

 「文化の小径」と名付けられた民家の間の路地をうねうねと辿って行く。道に迷いそうになると「文化の小径」の表示が出るので助かる。「民家の小径」ではあるのだがなかなか便利ではある。

 で、扶桑文化会館に着いたが、その横の妖しい竹やぶが気になって吸い寄せられる。中に廃屋なども見え入り込みたくなるのを抑えて会館へ。

 さっそくに展示作業。あっという間に日も暮れて午後の9時くらいに出来上がり。展示については“てんらんかいNOW”をご覧ください。今までにはなかった取り合わせで、なかなか僕の感じがストレートによく伝わる展覧会になった。

 夜に出てみると春のようなむっとした風が吹いて、ちぎられた雲のあいまにギラギラ星がまたたいていた。

 ひゅう〜〜〜

 翌 、3月5日、土曜は晴れ、ますます春めいてあったかい。早起き・朝食・チェックアウト(犬山駅近くのビジネスホテル)の後、今回のもうひとつの目当て=犬山・桃太郎神社へ向かう。

 犬山駅観光案内所で訊ねるとその道の老大家然としたスタッフが丁寧に案内してくれ、パンフレットも呉れ、俄然期待感がいやましにます。

 TAXIで直行。到着してかなりのおもしろさにびっくり、笑いが漏れる。これは期待をうわまわる名所だ! いつのだれの作かは知らぬが桃太郎、犬・猿・雉、鬼、おじいさんおばあさんの立体像がなかなかの造形でいやあ・・・参考になるなぁ・・・。

 出迎えてくれた宮司さんに来意を告げるとせっかくだからと詳しく説明をしてくださる。聴くと、ここいら一帯に確かに桃太郎伝説が伝えられており関連する知名がしっかり揃っている。この神社のある場所は「古屋敷」といって桃太郎を育てたおじいさんおばあさんの家のあったところだそうだ。

 面白いのは桃太郎の後日談があることで、鬼征伐を終えた桃太郎はおじいさんおばあさんとしあわせに暮らしていたがおじいさんおばあさんが亡くなるとひとり山へ上り姿を消した。

 すると次第にその山が桃の形になったので人々は「桃山」と呼んで麓に小さな社を作って桃太郎を祀ったのだという。

 この桃太郎神社は昭和5年にその桃山の麓からここへ移されたそうだ。宮司さんによるともとの桃山には祭祀に使われたらしい不思議な岩が色色あったいう。確かに宝物館にそうした古い写真が残っていて、鳥居龍蔵の調査で確認されたメンヒルの写真とかがあり興味が尽きない。

 さらに、宝物館には「鬼の化石」とか「子鬼のミイラ」などの写真もたくさんあり、ああ、以前になにかで見た有名な写真はここのものだったのかと納得。

 これらは現物が全てあったそうだが、不審火により宝物館が火事となり、これらの魅力的な宝物は焼失したとのこと、うう、残念だ。しかし妖しい不審火だなあ・・・。

 と、とにかく僕にとってはすごく興味深い桃太郎神社だった。正月の吉備津神社といい(あれ? そのことココに書いてなかったかな?) 、今回の犬山・桃太郎神社といい、不思議なご縁でぴたりと絶妙のタイミングで参拝できた。

 また讃岐にも桃太郎ゆかりの場所があり (鬼無)、なんとDARK SPLASHにも足繁く通ってくださったお客様の方がそこの出身で貴重な資料を貸してくださったのだった。

 吉備も、昨12月の北野の天使展のお客様のひとりが吉備団子を持って来て くださったことから話が盛り上がり、なんとその方が岡山県の観光課の方とわかり、彼女のコーディネイトで 吉備随一の語り部の方といっしょに神社や古墳を巡ることがかないました。

 退治された鬼の首が埋まっている上のかまどで鉄釜が唸るという鳴釜神事というのも体験させてもらったり・・・このところ鬼のお導きとしか思えないほどの不思議な巡り合わせがパレードのようにつづいて、それがぢわぢわと芥川龍之介著「桃太郎」の絵となって滲み出始めてきているところ。きっと面白い出来映えの絵本になりますよ! 乞うご期待!

 ひゅう〜〜〜

 で、話はどんどんそれたが、その桃山が見たくなり、行ってみた。たしかに先がすこしとがったとっても形のよいまあるい山で、麓の栗栖神社というところに参拝した。栗栖鉱山というのがここいらにあったことが地図で判明。桃太郎の来るところ鉱山あり、だ。

 さて、そろそろ扶桑へ戻らなくてはならず、TAXIが通らないものかと思いながら歩き出すが全然その気配は無く通るのは大根を運ぶ車ばかり。

 仕方なく木曽川の絶景を眺めながらとぼとぼと犬山遊園駅まで1時間ほど徒歩徒歩。扶桑文化会館には12時半到着だった。お弁当を頂き、2時からのギャラリートーク+ワークショップに備える。

 ひゅう〜〜〜(つづきは明日)

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