Today's Terapika寺門孝之です。

Back Number 20051218

 
 “行ってきました、一角座”昨日12月17日・土曜・晴れ。キンとする空気の中、電車を乗り継ぎ、上野へ。

 少々早く着いたので、アメ横などをうろうろ、路地の壁にゲルマ・ポスター発見。公園に入ってからも弁天堂、いくつかの神社(上野公園内に花園神社もあったのね)を廻るなどして国立博物館へ。

 どんなんかな〜どんなんかな〜とわくわくしながら、しかしほんまにあるんかいな〜?って、西門を入ると、づづ〜ん! ほんとにあった、一角座! たくさんの人影が受け付けあたりをぐるりと取り囲んで、賑やかな、そしておごそかな雰囲気。

 16:00の上映を観せていただくため、すぐに場内へ。うわあ〜思ったよりずっと広く、天井が高く壁はジュラルミンみたいな白銀色に輝いていてカッコイイ! それなのに座席は鮮やかな苔の色のようなグリーンのビロード張りで、テスリは年季の入ったモクがつややかに黒く光り、ところどころに擦り傷が白く光る。 なんでも、大阪の閉館になった歴史ある映画館から貰い受け、スタッフがトラックで運び込んだ座席とのこと。なにからなにまで手の込んだことをしてくれる荒戸映画=一角座にあらためて敬服、嬉しくなる。

 その座席もすぐに埋まり、通路に補助席が設けられた。で、『ゲルマニウムの夜』をついに一角座で鑑賞。何度観ても飽きるどころか、まったく初めて感じることがあって、またまた絵が浮かんでしまった。

 それにしてもなんとストイックで小気味良い映画だろう! 重ねて観て思い知らされるのはその無駄の皆無。あっという間にエンドタイトル、この時の音楽がまた大好き。盛大な拍手で完。

 しかし、特設の映画館、なのだが、画面もすばらしくでかく、音響もすばらしい。既成の映画館より映画の世界に入り込める。そのためのしつらえの場所だから当然なのかもしれないが、やはり嬉しくなる。

 終映後、なごやかな舞台挨拶もあってゴージャス。「一角座の映画はライヴなのです」と荒戸氏の言葉のとおりの、きっと来る度に新たな体験となる一角座、それが明日から最低でも6ヶ月はここにあって、ここにくれば『ゲルマ』をやっている、というのはなんという贅沢さだろう。

 その後、一角座オープンの祝賀会が隣接の法隆寺宝物館で催され、たくさんの関係者の方々をまたまたしばしヲッチング、そしてゲルマの方々の晴れ姿に、私も心底嬉しかった。

 ようし、また描くぞう〜というわけで、一角座初日のレポートでした。皆様、とにかく、体験されてみてください!

 今日はピョーピョーと木枯らしが吹き嵐し、窓の外を無数の枯れ葉が金属片のように光りながら鋭くすっ飛んでいました。寒そうでついに一歩も外出しないで、オエカキ。

 2∞5年12月18日、日曜、金晴れ。

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